Child Sleep– 子供の睡眠 –

Child Sleep

子供の睡眠

ママ自身が「育てづらさ・疲れ・苦しい」を感じているのであれば、
子供の睡眠リズムを一緒に整えてみませんか?

Contents

  1. 赤ちゃんの
  2. 幼児期(1歳〜就学前)の子供の睡眠
  3. 小学生の睡眠

Baby Sleep

赤ちゃんの睡眠

ご出産本当におめでとうございます!!

待ちに待った出産を経て初めての子育てが始まります。

でも、私が看護師として子供病院で勤務している時に出会う赤ちゃんのママたちは、口を揃えてこう言います。

「こんなに大変だとは思ってもいませんでした…夫は隣でぐっすり眠っていて…あえて起こすのも逆に気疲れします…」

やっと生まれてきてくれた大切な命を守りたい…

母親として必死に強く在ろうとする反面、産後の身体は帝王切開や会陰の傷、ホルモンの変化で身体も心も疲労は極限状態。

おっぱいが十分に出ているのか不安なまま、乳首が切れて痛みを堪えての授乳…さらに極度の寝不足や正解の無い子育てに自分の理性を保つのが精一杯な状態です。

生まれてきた赤ちゃんの中の40%はねんねが上手にできません。

そんな赤ちゃんのママたちはますます寝不足になり体と脳の疲労は蓄積されていく一方。眠れないママの脳は、ママの心を蝕んでいきます。

さらに、ただねんねの仕方が分からないだけなのに…ミルクの方が寝てくれる、抱っこの仕方が悪い、愛情が足りない、おっぱいを十分に飲めていない…など心ない周囲の声に心が折れてしまうのも無理ありません。

どうか一人で悩まないで、早めにねんねの専門家に相談してください。

赤ちゃんのねんねに関するSNSや書籍がたくさん出回っていることは、とても素晴らしいことです。

最近はアプリも開発されていますね。ただ睡眠の研究や論文発表が盛んになってきている近年、情報が錯乱しており、混乱を招きやすい状態になっているのも事実です。

赤ちゃんの気質やママの性格によっては相性が良いものと悪いものがあったり、一見全く正反対なことを謳っているかのような書籍などもありますが、全てが正解でもあります。

自分や赤ちゃんにはどの方法が適しているのか、赤ちゃんの気質やママの価値観の組み合わせなどによって方法を選んでいく力が必要となります。

赤ちゃんの頃にねんねで悩むことは、ある意味チャンスだと思っています。

今後、子供の健やかな成長のためには切っても切れない「十分な睡眠」との付き合い方。その土台を赤ちゃんの頃から整えていくことは、お子様にとってこれから先の素晴らしい財産になっていくからです。

以下にその大切な4つの土台についてお伝えします。(赤ちゃん編)

この土台は、仮に今後ねんねトレーニングが必要となった場合もとても大切な要素となってきますので今から出来ることを整えていきましょう。

その1 赤ちゃんが眠くなる前にねんねの環境を整える

「疲れると眠くなる」というのは大人にとっては当然かもしれませんが、赤ちゃんはそうはいきません。

なぜなら、本来自然な目覚めを促すホルモンであるコルチゾール(ストレスホルモン)は、疲れすぎても過剰に分泌されるので、赤ちゃんは逆に興奮してしまいます。

一見元気で全く眠そうに見えなくても、抱っこや授乳がないとぐずり過ぎて眠れなくなり、夜泣きや早朝起きに繋がってしまうのです。

下記は赤ちゃんが元気に起きていられる時間を表にしたものです。

赤ちゃんが元気に起きていられる時間

  • 0~1ヶ月→〜40分
  • 12ヶ月→約40分〜1時間
  • 23ヶ月→約1時間〜1時間20分
  • 45ヶ月→約1時間20分〜1時間30分
  • 68ヶ月→約2時間〜2時間30分
  • 9ヶ月→約2時間30分〜3時間
  • 101歳2ヶ月→約3時間30分〜4時間

あくまでも目安にはなりますが、この時間を超えないように寝床に赤ちゃんを置いてみましょう。

特に就寝前だけはこの起きていられる時間を超過しないようにねんねの準備を始めることをお勧めします。

その2 ねんねの環境を安全に整える

赤ちゃんのねんねの環境はとても大切です。赤ちゃんの命を守るのは当然ですが、ママやパパも赤ちゃんの安全面に気を取られずにゆっくり熟睡することが大切だからです。

転落の危険性、窒息の危険性、家具の転倒などあらゆる危険性を想定し、どこまでもシンプルな寝床にしていくことを強くお勧めします。

その3 ママやパパの心が満たされていること

忙しい育児の中、綺麗事に聞こえるかもしれませんがとても大切なことです。

健全な心で育児をするためには、まずはママの睡眠を少しでも確保すること、そして1日の中で少しでも良いので赤ちゃんを誰かに任せ、ママの一人時間を確保することがとても大切になってきます。

パパが仕事で赤ちゃんを任せることができない場合は、ベビーシッターさんや自治体のサービスを利用されることをお勧めします。

ママの心と体の休息が、赤ちゃんの心の栄養素になると思ってください。

その4 一貫性と習慣を意識する

赤ちゃんは次に何が起きるか分かると安心します。

さらにその流れに体も慣れてきてねんねのリズムが出来やすくなります。毎日無理なく出来るねんねルーティンを作ってみることをお勧めします。

又、赤ちゃんが泣いていてもなるべく手をかけず、赤ちゃん自身が自分の力で自然に眠りにつける習慣をつくってあげましょう。

赤ちゃんは泣くために産まれてきたといっても過言ではありません。

よく泣いた赤ちゃんは身体の芯が丈夫になり、体幹がしっかり整い、風邪を引きにくい強い体になっていきます。

そう考えると、無理やり泣き止ませようとするのはもったいないと思いませんか。1日2-3回ギャン泣きするくらいの方がむしろ良いのかもしれません。

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Child Sleep

幼児期(1歳〜就学前)の子供の睡眠

夜中に何度も目を覚ます、寝かしつけに数時間かかる、とにかく寝る時間が遅い、日中不機嫌でぐずることが多い、癇癪がひどい、すぐに怒る(キレる)、保育園や幼稚園に行きたがらない、不定愁訴が多い、親や先生の言うことが聞こえているのか分からない時がある、朝の不機嫌や癇癪、朝に自ら起きてこない、TVやスマホが無いと手をつけられない、土日は10時以降に目が覚める…

幼児期のお子様にこれらの症状を認め、ママ自身が「育てづらさ・疲れ・苦しい」を感じているのであれば、子供の睡眠リズムを一緒に整えてみませんか?

近年社会が急速に発達し大変便利な世の中になりました。

反面、特に子供たちが眠りにくい社会になったとも言えます。

どんどん遅くなる親の就労終了時間、日が沈んでも煌々と輝くコンビニやお店の電気、スマートフォンやT Vプログラムの充実…それらに生活が潤い、支えられているのは確かです。

しかし、子供の脳や体、心の健やかな成長を妨げている要因になっていることも目を逸らしてはいけない現実です。

それらが決して悪いと言っているわけではありません。

ただ、ママの「育てづらい」と感じている子供のその行動は、睡眠不足からの行動である可能性が高く、今の社会の影響を大いに受けているとも言えます。

子供は正直です。

眠くなったら寝ます。

眠くならない要素が周りに散りばめられているから寝ないのです。

さらに言えば、睡眠不足が更なる睡眠不足をまねいているのです。

赤ちゃんの頃からねんねが上手にできなかった子供はさらに睡眠が乱れていきがちです。

するとママ自身は、自分の時間や睡眠を失い、肉体的にも精神的にも疲労はピークとなるため、理性を保つので精一杯、子育てが全く楽しくない。という負のスパイラルに陥ります。本当にしんどくて苦しい…

でも本当にしんどいのは、睡眠不足や体内時計が乱れてしまった子供たち。

ただでさえややこしいことの多い現代を生きていく子供達が、慢性的な睡眠不足の状態で、脳の働きを守り育てることが阻まれてしまえば、成長著しい幼児期に、自分がもって生まれてきた能力や才能を守りきれない状態を抱え込み、よけいな苦労をしながら生きていくことになってしまいそうです。

「何時に寝ようが、何時に起きようが、朝食を食べようが、食べまいが、親が強要するのは子供の人権に反している」

「親が必死で働いて家族の生活を支えているのだから、夜遅くに寝るのは仕方がない」

「今しかない子供との時間を犠牲にしてまで、無理に早く寝かせようとするのはどうかと思う」

「子供にも自由がある」

そのような声が聞こえてきそうですが…

私は子供の自然な生体リズムを無視して、子供が出すサインを見逃してしまう方が子供の権利を害することだと思っています。

今の子供たちの睡眠リズムを整えるためには、世の中の引力に逆らうような意思と忍耐が時には必要なこともあります。

しかし幼児期は、お子様たちに睡眠の大切さを伝え体得してもらう絶好のチャンスでもあり、心と体の土台を睡眠力にて育む時期でもあります。

本当は何を大切にしていきたいのか、一緒に考えていきませんか?

もちろんたまには寝ない日があったっていい。

親子のかけがえのない時間を優先する時だってある。

でも子供の気持ちを大切にしながら、ベースだけは整えていく。

もちろんママやパパたちの生活や心のバランスも大切にしながら、ご家庭に合った方法で子供たちの睡眠時間を確保していきませんか?

今の状態をなんとかしたい…そう考えていらっしゃるママやパパを私は全力で応援します。

良い睡眠習慣のコツ(幼児期編)

1日の推奨合計睡眠時間

1-2歳→11時間〜14時間

3-5歳→10時間〜13時間

疲れすぎる前に寝かせてあげる

子供は疲れすぎてしまうと逆に眠れなくなります。

昼寝もしていないのに夜になると急に元気になるパターンがよくありますが、これは典型的な「疲れすぎていて眠れない、興奮している」パターンです。

赤ちゃんと同様子供は、起きていられる一定の時間を超えると、コルチゾール(通称ストレスホルモン)というホルモンが分泌する影響で、眠いのに眠らないという現象が起きてきます。

下記は幼児期のお子様が元気に起きていられる時間を表にしたものです。

お子様が元気に起きていられる時間

  • 〜1歳2ヶ月→3時間半〜4時間
  • 1歳3ヶ月〜1歳半→4時間〜6時間
  • 1歳半〜3歳→6時間
  • 4歳〜5歳→5〜12時間(個人差が大きくなります)

ママやパパの心が満たされると、子供の心が満たされる

ママやパパの職場復帰など、様々なライフスタイルの変化を経験するのがこの時期です。

同時に、子育てと仕事の両立に悩む方も多くなります。家事や仕事を完璧にしようとするあまり、ご自身の気持ちにゆとりがなくなってしまいがち。ママの不安や焦り、緊張は必ず子供に伝わります。

それを隠す必要は全くありませんが、ママ自身の体と心を休息させる時間を全力で確保することは、子供の安心に繋がり、睡眠はより安定していきます。

お子様が寝なくてイライラしてしまう時はどんなに頑張っても子供は寝てくれないものです。

そんな時は一旦諦め、ママ自身がやりたいことを意識して心を満たす工夫をしてみてください。

一貫性と習慣を意識する

赤ちゃんと同様、幼児期のお子様も次に何が起きるか分かると安心します。

さらにその流れに体も慣れていき、睡眠のリズムが出来やすくなります。毎日無理なくできるルーティンを作っていきましょう。

又、可視化できるルーティンチャートなどを作成し、「次に何をするのか」親子で共有するとさらに効果的です。

毎朝起きたら朝日を浴びる、朝ごはんは必ず食べる、寝る前のルーティンは毎日徹底していく習慣をつけていきましょう。

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Child Sleep

小学生の睡眠

朝起きることが苦手、学校への行き渋りがあらわれる、日中の機嫌が悪く午後からもち直す、休日の睡眠時間が平日より長く起床時間が90分以上遅くなる、授業中の居眠りや帰宅後に眠ってしまう、被害者意識が出て友人間のトラブルが多くなる、ボーッとして無気力である、成績が低下する、クラブ活動などでケガをしやすくなる…

これらの症状がお子様にある場合、「精神論」でなんとかしようとしていませんでしょうか?

頑張って早く起きなさい!夜更かししているからいけないのよ!

休みの日はダラダラしてばっかり…!

もっとシャキッとしなさい!

成績がどんどん下がっていくのは勉強を怠けているから!

今の複雑な世の中…将来を見据えた塾や習い事で時間に追われる毎日…

お母様方の苦労も耐えないと思います。

ただ…冒頭のような症状は「精神論」ではどうにもならない、

子供の体と心の悲鳴でもあることを知ってほしいのです。

単純に睡眠が足りていない可能性があります。

睡眠がしっかりとれていない子供たちは、十分な脳の休息が得られていない状態です。人の脳は、睡眠でしか休息を得ることができない為、冒頭の様な行動として現れます。

そして、毎日のタスクをこなす為に睡眠を削った毎日を過ごしていると、ある日突然、意図的な短眠から意図しない過眠へと変化します。

学校に行きたくても行けない、友達と遊びたくても遊べない、勉強したくてもできない…完全な昼夜逆転生活です。一見怠けているだけのように見えますが、紛れもなく寝不足によって脳の疲労が限界となり、心と体がショートした状態です。

そうなる前に早く寝ればいい…

そんな単純な話ではないのが就学以降の睡眠事情です。

幼少期から習慣になっている夜型の体内時計はそう簡単には元に戻りません。

そして何よりも子供たち自身が自覚をしない限り、状況は変わらないのです。

さらに、仮に布団に入ったとしても、そう簡単には眠れない体になっている子供たちが多くいることを知ってほしいと思います。

体内時計の乱れ、スマートフォンなどによるブルーライトの影響、朝食を抜いた生活、宿題に追われたストレスフルな心の状態が、いざ寝ようとしても、なかなか寝付けない、夜になっても眠くならない体になってしまっているのです。

実は、一番しんどいのは子供自身なのかもしれません。

布団に入っても眠れない…

朝は起きられない、日中は眠気との戦い…

先生や親からはガミガミ言われる…

一体私の「元気」はどこへ行ってしまったのか…

車で例えるなら…

エンジンは子供の心の中心です。

ガソリンは睡眠と栄養。

将来を見据えた勉強や塾・習い事は車のタイヤやパーツになります。

ガソリンがない状態で無理に走らせた車のエンジンはどうなるでしょうか?

故障して走れなくなります。

その故障がいわゆる、子供の精神疾患や引きこもりの状態なのではないでしょうか。

エンジンよりもタイヤやパーツの方が大切ですか?

ガソリンがない状態でアクセルを踏み続け、車を走らせますか?

まずはお子様の行動ではなく、心と体に向き合ってみてください。

改善への行動が早ければ早いほど、結果も出やすくなります。

子供の何を大切にしたいのか?

一緒に考えていきませんか?

時間は少しかかるかもしれませんが…

少しでも今の状況と向き合おうしているご家族やお子様を、私は全力で応援します。

良い睡眠習慣のコツ(小学生編)

1日の推奨合計睡眠時間

小学生→9〜11時間

早寝ではなく、まずは早起きからトライする。(毎日同じ時刻に起きる)

早く寝ようと思ってもそう簡単には眠れないものです。眠れない状態で布団に入っているのがしんどいのは大人も子供も一緒です。

まずは毎日同じ時間に起きてみる(週末も)ことから始めてみてください。

この行動には、覚醒ホルモンの分泌を自然体にすることや、体内時計の調整など、深い意味づけがありとても効果的です。

寝不足でしんどい日が続きますが、まずは1週間トライしてみてください。

朝起きたらすぐに太陽の光を10分程度浴びる

夜ぐっすり眠るための行動は、朝から始まります。

ベランダやベランダ越しで太陽の光をたくさん浴びることで、夜になって深い眠りに導いてくれるメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を助けてくれます。

どんなに忙しい朝でも朝食は欠かさない

朝食は体内時計を整えるためにとっても有効です。

又、質の良い睡眠に欠かせないメラトニン(睡眠ホルモン)は、トリプトファンというアミノ酸からセロトニンを経て作られるのですが、そのトリプトファンを朝食で摂取することがとても大切になります。

トリプトファンが多く含まれる食材→カツオ、マグロ、牛もも肉、鶏レバー、卵、豆腐、チーズ、牛乳など

T Vやスマホは遅くても20時までとする

せっかく朝日を浴びて朝食をとっても、夜のブルーライトはメラトニン(睡眠ホルモン)の分泌を阻害します。

まずは1週間試してみてください。体が楽になり入眠しやすくなることを体感してほしいと思います。

睡眠日誌をつけてみる

何時に起きて何時に寝たのか?日中どんなことがあり、どんなことを感じたのか?これらを可視化することで、客観的にお子様や自分を見ることができるようになります。

すると改善のための行動が的確となり、良い結果が出やすくなります。

家族全員で取り組む

子供の生活リズムを整えるためには、家族全員で生活リズムを整えることをお勧めします。家族全体で早起き早寝の習慣をつけてみるようにしてください。

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